オリンパス機で天体写真(星の撮影)を撮る(7) 比較明合成について
このあたりから後処理に入ってくるので、オリンパス機特有ってわけではありません。
比較明合成
私がこの手法を知ったときは、結構衝撃でした。また、その処理を行う簡単なプログラムを見つけたとき(さらにフリーで)は、大喜びで撮影を行ったものです。
これはどういった手法かというと、通常星の撮影を行うとき、シャッターを数分〜1時間とか開いて、星の軌跡を撮影します。しかしそうすると
- ノイズが増える
- デジカメでは実はそこまでバルブ撮影できない(数分〜長くて30分という機種が多い)
- 一瞬邪魔な光が映りこむことにより、写真全体がダメになってしまう。
- 背景と星を同時に写しこむことが困難(背景に露出を合わせる絞り込むことになり、暗い星まで写せない。星を重視すると背景が飛ぶ)
などといった問題点が発生します。
これをクリアーするのが比較明合成で、複数枚の画像から、輝度が高い部分を優先して写真を合成してくれます。こんな写真が簡単に作れます。
また、広角レンズで撮影すると、1分露光しても、星の大きさが小さいため星座の形が分かりにくいことがあります。そのばあいこの写真のように数枚を明合成して、星の形がわかりやすい写真にすることができます。
ただ、欠点もあり
- 星が途切れてしまうことがある。(被写体・カメラの設定・現像設定にもよります)
- シャッター回数が増えてしまう(60s単位で、3時間撮影すると180枚)シャッター寿命がちょっと心配。
- カメラ側の長秒時ノイズリダクションが使えない。
などといった欠点があります。
しかし、お手軽さなどを考えるとこの手法を使うメリットは大きいので、積極的に使うのが良いと思います。
個人的にお勧めな比較明合成ソフト(フリー)はこちらです。
http://www.itaime.com/itaime/kikuchi/index.html
処理速度は早いですし、操作も簡単(合成したい画像データを、ひとつのフォルダにまとめておいて、そのフォルダを指定するだけ)です。こんな有用なソフトを公開してくれている作者に感謝です!
ちゃんと合成するなら、マスクなどを使うべきなのでしょうが、今のところは上記のソフトで合成するだけで満足しています。